そもそも廃車とはなんなのでしょうか。
昨今の廃車廃車事情を紹介し、今後の廃車を取り巻く未来を予測します。
廃車とは?
自動車の本来の用途における使用(人や物を運ぶこと)をやめ、車籍を抹消すること、またはそうされた車両のことである。
引用wikipedia
役に立たなくなった車両の使用をやめること。またはその車両。
引用『広辞苑』
似すぎだろ!(笑)
ともかく、中身は法的に2つに大別されます。
・永久抹消……スクラップにする。
・一時抹消……公道を走る権利を一時返上するのみ。長期入院・海外出張などの折に使用。
どちらにしても、基準は「公道を走れないこと」です。
最近の国内廃車事情
昨今において国内の“廃車”の行く末はこうです。
1) 国内で中古車として流通する
ケースとしては稀です。
ただ、業者としてはそのまま国内に「中古車として」買い手が付いた方がうれしいです。
悪質なケースでは、「廃車として引き取って、ひそかに中古車として流通させる」ことがあります。
業者はぼろもうけ。
被害者としてはかなりリアルに「ふざけんな!」に発展するリスクがあります。
何せ、あろうもしないはずの自動車税の督促状なんかがいつまで経っても届いたりします。
あるいは、身に覚えのない事故や犯罪について、いきなり警察なんかから問い合わせが来たりします。
なので、「業者が廃車をしたかどうか」はちゃんと確認を取った方がよいです。
彼らは廃車をした時に廃車証明書を陸運支局や軽自動車検査協会にもらっております。
こちらまで送ってもらうと安心です。
2) 海外に売りに出す
今日本の廃車産業は一種のバブル的状況です。
今の廃車業界の主要業者のほとんどが2000年代以降の創立なのをご存じでしょうか。
つまり、“そこ”に何かが起こっているのです。
その大きな要因のひとつがグローバル化・新興国の発展です。
日本車は「高性能・長持ち」。
新興国の人たちにとって中古車として、垂涎の的なのです。
解体パーツとしても組み合わせて大きな価値を持ちます。
なので、どんどん「売れ!売れ!」なのです。
私たち売り手としては、彼らのそういった事情をかんがみてよくよく安直な妥協をしないことです。
「うちは無料で引き取りますんで」
「レッカーもただですんで」
などと言う釣り文句程度には「当たり前だ」ぐらいに心の中で一蹴してください。
そして、彼らをきっちり競わせて、「よい売値」をがっちりとゲットしましょう。
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廃車?解体業者?中古車買取?下取り?結局、どれが一番お得なの!
また、日本の廃車産業が活況の理由には後2つあります。
ひとつは2005年の自動車リサイクル法の成立。
それまで「産業廃棄物」が盛んに問題になっていたのを覚えていませんか。
ああいうのを無くして、国内の自動車リサイクル業界を整備しなおし、かなり商売がやりなすくなったのです。
ズバリ言うと、車を買う時に「リサイクル料金」を払うようになりましたね。
あれで、全体がうまく回るようになったのです。
もうひとつは、ネット化。
これまではディーラーや一部の買取企業が独占的に取り扱っておりましたが、新規参入企業に大きく門戸が開かれました。
またたくまに個人が全国の企業に査定を競わせられる、という現状です。
車買取業者の一番の頭痛の種である「在庫管理(※)」も市場が広くなったので右から左へ簡単にスススです。
「ネット申し込み」なんて方策も一般化してきましたし、最近はLINEでも。
また業者が買い取った後にオークションに流すことも容易になりました。
2005年の自動車リサイクル法が施行され、日本のリサイクル率はほぼ100%になった、と政府は言いはります。
たしかにそれはある意味正解であり、ある意味間違いです。
2~3割は埋め立てへ。
また日本の場合、あからさまと言える国内新車産業優遇策が目立ちます。
古い車はどんどん税金が高くなります。
修理費も高くなります。
つまり車検も高くなります。
保険も無意味化されてゆきます。
ただ、日本は今のところ新車産業は看板です。
なので、景気・雇用などを考えると合理的ともいえます。
もちろん、環境的には「古い車に環境負荷の低いパーツを組み替えるようにすればいいのでは」と言うのが筋にも思えますが。
社会における廃車の展望
今後の自動車社会
自動運転の発達で自動車免許の意味が縮小してゆくでしょう。
そして、ネットやSNSなどによって共有の文化が車にも次第に広がるでしょう。
つまり、1人1台と言う概念が希少化していく、ということです。
なんだか最近若者のシェアルームブームや旅行業界の民泊ブームとおんなじ感じです。
この辺は昔にもどっていくような不思議な感覚です。
もちろん、この辺の予想は何も私一人ごときの想像だけで物申しているのではありません。
今とても有名なある思想家兼起業家さんもそのようにおっしゃられております。
かと言って1人当たりの車の台数が当面減っていくかは疑問です。
むしろ、増えていくのではないか、と言う気がします(後期高齢者は対象から除きます)。
実際増え続けてますし(データ『自動車検査協会2017』より)。
廃車業界はどうなるの?
廃車業界というのは「社会間の落差」こそが大きな富の源泉です。
たとえば、今の日本と新興国・途上国の関係です。
なので、世界全体で見るとますます活況を呈しそうです。
ただ、日本国内ではどうかと言うと未知数です。
たとえば、今後、中国やインドから大量の廃車が出てきます。